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セットビスの話し [RCメカ]

RC模型を作っていると様々な場面でセットビスを使う事があります。
こんな形の小ネジです。
セットビス.jpg


例えば、タイヤを止めるカラーとか、
カラー.jpg


プロペラアダプターとか、
ペラアダプター.jpg

ペラアダプター2.jpg


これらの固定にセットビスを使っていますが、よく見ると対向して両側のネジが切って有るのが多いです。
皆さんは対向して2ヵ所ネジが切ってあった場合どのように締めますか?

①その内の1ヵ所だけ使い締める。
②両方にセットビスを付けて両側から締める。

大して違わないような2通りの締付けですが、結果は大違いなのです。
一方は確実に締り、もう一方はいずれ緩んでしまう運命にあるのです。

さてどっちがどっちでしょうか?
スバリ!①の方法が正解です。
えっ???
両方から締めた方がガッチリ止まるんじゃないの?とお思いの方も多いかと思います。
その理由をこれから説明します。

締めた状態カラーを例に図式化すると、

①の締付け。
片側締付.jpg


②の締付け。
両側締付.jpg


やはり、両側から締めた方が良さそうに見えます。
ここが落とし穴なのです。
実際にはカラーと軸の間は全面で密着しておらずスキマがあります、そうしないと軸がカラーに入りません。

実際の状態を少々誇張して図式化すると①は、
片側締付2.jpg


②は、
両側締付2.jpg


これをセットビスの方向から見ると、
①は、
片側締付3.jpg


②は、
両側締付3.jpg


ここで赤くハッチングされている部分が軸とカラーとの接触部分です。
この接触部分でネジの締付ける力(専門用語で言うと軸力と言います)を受けているのです。
②の方法では両側からネジを締めているため軸との接触は両側のネジの当たっている部分だけです。
それに対して①では片側がネジ、反対側がカラーの内面に縦方向に長く接触しています。
この縦方向に長く接触している事が②の方法のセットビスを緩みにくくしているのです。

①では真ん中の一部でしか接触していないため、カラーと軸のスキマのため軸とカラーとの間で僅かな回転運動が可能になってしまいます。(下図)
両側締付4.jpg

この動きによりセットビス先端と軸との接触面が摩耗し軸力を失い最終的に緩んで脱落してしまうことになります。

ネジの軸力は締付けによるネジ及び締付け対象物の弾性変形によるバネ力です。
ネジやカラーはとてもバネには見えませんが、実際はミクロの世界で僅かに変形してバネとして働いているのです。
その変形量はごくごく僅かですから接触面がほんの少しでも摩耗すると変形が戻ってしまいバネ力が無くなってしまうのです。

軸力は②の方が両側から締めるの2倍あると勘違いしがちですが、機械系の方は初歩的力学を思い出してください。
すなわち、あらゆる方向の力(ベクトル)の総和はゼロである、さもなければアンバランスしている方向へ宇宙の果てまで飛んで行ってしまいます。
従って、1本のセットビスが出せる最大の力が同じだとすると、①ではセットビスの力と等しい力がカラーから出されていることになります。
片側締付力.jpg


②では反対側のセットビスになっているだけで、決して2倍にはなりません。
両側締付力.jpg


以上でお分かりでしょうか?
セットビスは片側だけ締めるのが正解です。
両側から締めたらいくら頑張って締めてもその内に緩みます。
これがタイヤのストッパーなら空中でタイヤ落下、着陸で主脚破損、プロペラアダプターならプロペラが竹トンボ。

先のOリングでプロペラを止めるプロペラ・セーバーの場合は片方のネジでしっかり締付け、反対側はロックタイトを塗って軽く軸に当てるようにします。

さて、片側から締めるのが良いのは分かったがどうして両側にわざわざネジを切ってあるのか?
これには深~い理由があるのですが、分かった人は機械加工に詳しい人ですね。
近い将来説明しようかと思います。
コメントにその理由を投稿して頂いても結構ですよ。
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Falcon

いやぁー、勉強になりました。
総点検しなければ・・・
by Falcon (2014-04-25 07:48) 

M爺

Falcon様こんにちは、
詳しく実験して検証した訳ではありません。
経験的には両側締めの方が緩み易かったのは事実です。
ご参考になれば幸いです。
by M爺 (2014-04-25 09:08) 

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