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セットビスの話し-その2 [RCメカ]

前回セットビスは両側から締めず片側のみの方が緩みにくいと説明しました。
今回は前回の最後に書いた疑問『なぜカラーのネジは両側に切ってあるのか?』に関してです。

私はカラーやプロペラアダプターを設計したことも製作したこともありません。
従ってこの話しはあくまで私の推測になります。

では考えられる理由を列挙してみましょう。
①加工上の都合
②加工管理上の都合
③両側の方が締まると思って設計

①の解説(加工上の都合)
この理由は明らかです。
ネジを加工するにはタップと言う工具を使います。
Tap.jpg


この工具の先端を詳しく見ると先細りになっていますね。
これは加工する時に工具が喰い付き易くするためのものです。
この細くなっている部分はネジ山が完全なネジ形状にはなっていなく、『不完全ネジ部』と呼ばれています。
カラーの加工を模式するとこのようになります。
TAP加工1.jpg


片側のみでネジ加工を止めると赤丸の部分に不完全ネジができてしまいます。
これではセットビスが不完全ネジより先に進めずセットビスそのものが役に立ちません。
TAP加工2.jpg


そのため、仕方なく加工時間が長くなるのは覚悟で反対側までタップを通したと思われます。
TAP加工3.jpg


②の解説(加工管理上の都合)
①のような寸法関係ではなく、内径部の径が大きければタップを途中で止めても不完全ネジ部を残さずに加工出来ます。
TAP加工4.jpg

しかし、この場合図にある『X』の余裕を持ってタップ加工を止め、タップを逆回転させながら戻す必要があります。
さもなければ反対側の壁にタップがぶつかりタップを破損させてしまいます。
或いは『X』の長さを取り過ぎると①と同じになり不完全ネジ部が残ってしまいます。
現在普及しているNCマシンであればいとも簡単にできる技ですが、旧式のボール盤等でタップ加工をしようとした場合この加工深さ管理がとっても微妙な操作になってしまいます。
どの加工機を使うにしろ、片側のみネジ加工する場合ネジ深さを管理しなければならないことになります。
貫通加工であれば貫通したところで適当にタップを戻せば良いので深さ管理は不要となります。
加工寸法の管理箇所が増えると言うことはそれだけ人の手間を増やすと言うことになります。
人の手間を増やせば当然コストが上がります。
貫通加工で増える加工時間のコストと加工深さ管理によるコストを天秤に掛けて、管理のし易さを選んだ可能があります。

③の解説(両側の方が締まると思って設計)
あまり考えられないとお思いでしょうが、世の中結構おバカな設計者が多いです。
私も長年設計や生産技術に携わってきましたが、自分も含め結構オッチョコチョイな設計をしてしまう時があります。

え~っ!じゃ毎日使っている物もそんないい加減な設計なの?と言いたくなります。
でもご安心ください、少なくとも日本製や欧米製のものは発売前にヘボな設計やヘボな作り方を見つけ出すシステムが充実しています。
市場に出る前に設計上の不具合も製造上の不具合も試作品のテスト等で洗い出し解決してから市場に出ています。(たまにこぼれて出てしまう時もありますが、、、)
現在私の居る中国ではこの点が大幅に立ち遅れています、中国製=粗悪品のイメージ(実際に粗悪品も多い)はこの部分の差が表れているのです。

話しを戻して、RCで使うカラーやプロペラアダプターはどうかと言うとRCで使う部品の中でも中枢を占めるものではなく、あまり深く考えて設計されていないのかも知れません。

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T-クボ

ためになる話ですね、世の中知らない人が多いのが現状ですね。
タップ加工ですが、うちの工場ではタッパーを使っているので、
2番目の加工も楽にできます、3番タップの先を少し落として不完全部分を
少なくして加工してます。袋加工で深さが無いときには有効です。
下穴とネジの差が2mmなら問題なくできますね。
後、バイクのハンドルの固定方法ですが、先に前側を締めて後で後ろを
締めるのが正しいのですが、前後均等に締める人が多いです。
毎週雨でうんざりしてます。
by T-クボ (2014-04-29 14:24) 

M爺

T-クボ様、
お久しぶりです。

そう言えばタッパーと言う便利な物がありましたね!
正直ブログを書いていながら薄々感じていたのはRC用のカラーやペラアダプターの両ネジは元設計技術者としては信じたくないのですが、③の設計者の知識不足が原因のような気がしてならないのです。

また科学技術の塊のようなRC模型ですが結構理論とは全く相容れない迷信がまかり通っている面もあります。
機会がありましたらその迷信も暴いて行こうかなんて考えています。
by M爺 (2014-04-29 14:46) 

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